2020 オーストラリアンオープン 総評

<レポート:森下 泰>

オーストラリアンオープン2020年総評
今年の全豪は涼しかった。最初の4日は雨が降って、10日間は涼しい。珍しい。
11日目の水曜は29度まで暑くなって、今日木曜日は39度。信じられない。
外のコートはヒートポリシーで中断なのにセンターコートはやらせた。
第1試合と同じ条件なのだろうがこれはひどいなあ〜!
しかし、バーティ対ケニンの準決勝より後のムグルザ対ハレップの試合の方が素晴らしかった。
この暑さであれだけのプレーができるとは本当に頭が下がる。
ムグルザのストレート勝ちだが、私が見た女子の試合で一番かもしれない。

日本男子は錦織がケガで出ず。西岡が頑張って3回戦まで行った。
あの3人に当たらなければベスト16に行くと思っていた。
40位ジェレ、第30シードエバンスに楽勝。相手に何もさせない。
相手が嫌がっている。フォアのループから新しくFDヒットするようになった。
また、あのバッククロスフラットが低く打ちづらいのだろう。
前に来たらバカにしたように抜く。サービスも良くなった。
伊藤はアジアで勝ってワイルドカード。
1回戦ラッキールーザーに当たってまさにラッキー。
2回戦のジョコビッチには第2セット4−6まで行ったのはいい刺激になった。
杉田も1回戦ドヘタに勝って、2回戦ルブレブの強烈なフォアにやられた。
よくこのランキングまで戻って来られた。あの自信がすごい。
内山はケガ明けで1回戦負け。増田健太郎がついている。
私がSSC時代よく打って、ブラジルにもついて行った。

女子は大坂なおみがディフェンディフェングチャンピオンで登場。
1回戦ブズコバはまあまあ、2回戦ゼンに第2セット少しイラつく場面もあるが順当勝ち。
3回戦15歳ガウフにまさかのストレート負け。
いくら相手がUSオープンの時よりうまくなっているからと言ってこれはないよな〜!
いつ上がってくるか?待っていたが、失速したまま敗退。
フェデラーやナダルたちのファイトを見習ってほしい。
技術ではない、何か心から叫ぶようなプレーが見たい。
まさに諦めないならこちらも最後まであきらめずに応援するよというような・・・!?
そのメンタリティーがない感じだ。
日比野も予選から良く上がった。久しぶりだ。1回戦相手の痙攣でラッキー勝ち。
2回戦第22シードサッカリに善戦。この選手は上手いと思う。
土居は予選上がりダートに勝ちそうでやはり負けた。もうあと一つが足りない。

男子の予想は今日のナイトセッションジョコビッチ3−0フェデラーは当ててきた。
今のジョコビッチには全然歯が立たないだろう。
フェデラーの足の付け根の部分を痛めたらしい。
その前の準々決勝サングレンにマッチポイント7つ取られて、大逆転勝利。
打つのを止めてコントロールショットにしたのが正解。
返していれば何か起こると信じてプレーした。すごかった。
その前の3回戦鉄人ミルマンにもファイナルスーパータイブレーク4−8で相手のサービスから6ポイント連取
の偉業をやってのけた。これもすごかった!
神様フェデラーの戦いは心が熱くなるよ!
ナダルとティエムの準々決勝もすごかった。
これだけ夜中まで4時間10分も打ち合う。ナダルのベストを出しているのがわかる。
ティエムの最初から飛ばしているのもわかる。最後まで落ちないのは超一流だ!

もう一つの準決勝はティエム対ズベレブか?
ティエム3−1だと思う。ズベレブも今絶好調のルブレブにストレート勝ち。
昨年ラオニッチ戦に17個ダブルフォルトして、ラケットを叩き割った人とは思えない。
サービスが好調。あれだけの身長でダブルフォルトをどうやってするんだ?

そして、願望も込めてティエム3−2ジョコビッチ。
本当はジョコビッチが誰よりも強い!特にここ全豪は強い!
ミスする雰囲気が初めの1ポイント目からしない。
段々、調子を上げていくことなんてしない。最初からニュートラル。
普通に打ったボールが深くまず相手に攻めらえないボールをいつでもどこでもどんな場面でも
打ててしまうのが彼なのだ。
また、サービスが本当に良くなった。特にセカンドはコーナーギリギリ。というよりオンラインで180キロぐらい。
西岡レベルでは話にならない。
第1&第2セットでジョコビッチのゲーム、1ポイントしか取れないって?あり得ないよ。
イワニセビッチがついたからか?あのレベルでもドンドン聞いてきてどん欲だという。
その向上心がすごいのだ。実質世界NO1がこれだけ努力しているのに他の人は・・・!?

女子はムグルザ2−0ケニンですね!
21歳ケニンもよく勝ってきたが、何かあるわけでもない。
トスを上げる時、ずっと下を見て打つのが特徴。集中力があり粘りがあり、頑張り屋。
ムグルザはあのグランドスラム2回優勝した当時に戻ってきた。
守りだけでなく攻めをドンドン加えてきたのがいい。
やはり上に行くには攻めないといけない。プレーも心も上向きになるのだろう。

他の選手ではジャブールやサッカリなど初めて見たが、
打つだけでなくドロップや何をするのかわからないのがいい。日本人選手が苦手なのはさらにスーウェイなど。
男子はルブレブがトップ10に来るな。
ラオニッチもサービスだけかと思ったら、ストロークも良くなった。
また、トップ10に返り咲くでしょう。錦織がますます厳しくなってきたかも!?
メドベデブもあきらめず拾うのがいい。
ジョコビッチや他のトップ選手のすごいのはスーパーショットだけではなく、相手のウィナーやエース級、
足を広げて腕をメイいっぱい伸ばして、返す。
このディフェンス能力がすごいのだ。甘いボールを返そうが何が起こるか?わからない。
このガッツがやはり相手が徐々にプレッシャーを感じるのだ。
途中かいたが、ここが私のゾワリとする瞬間ですよ!

しかし、私のこの見てきたものを全て誰かに注いでぶつけてみたいなあ〜!
多分、世界NO1に絶対になれるはずです。ものすごく自信がある!
死ぬまでに1回チャンスをください〜!神様〜!

男子決勝 ジョコビッチ 6446266364 ティエム
ジョコビッチのゲームで始まる。
最初からいいポイント、いい試合が始まると予測される。
1−0キープ。相変わらずサービスがいい。
ティエムの第2ゲーム。
いきなり超スピードボールの打ち合い。
ファーストが準決勝ズベレブ戦のように入れなければそこで終わる。
3回のデュースの末、ジョコビッチのアングルボレー。
そして、ティエムの回り込みフォアダウンザラインをジョコビッチのフォアスライスディフェンス。
これに焦って、ティエムのフォアネット。
もうすでにプレッシャーをジワジワとかけられている。
同じようにハードヒットラリーをしていてもティエム100%に対して、ジョコビッチ70%
。まだまだ、余力がある。2−0ブレークアップ。
今まで3回強いジョコビッチ。彼史上一番強いジョコビッチが登場。
それはセカンドオンライン180キロがプラスされたこと。
ティエムは120%ださないと無理かもしれない・・・!?
ジョコビッチの立ち振る舞いやラリー中の立ち方、軸のぶれないところなどもうすでにミスしなそう、
というよりどこに打つのがギリギリまで選択できる。
ニュートラルという言葉が流行る。
厳しいところからジョコビッチが普通に返して、相手に攻められないボールを打つ。
また、もとに戻る。第1球目でやはり並大抵では勝てないと思わせる。
ティエムはずっとサービスエース2本ずつでキープして、タイブレークのわずかなチャンスをものにするしか
道はないなあ〜!またはサービスから3球目攻撃で決めに行く。
この大会唯一、ジョコビッチに対抗できるのはやはりこの男しかない。
ティエムが第1セット取って、第2セット先に1ブレークしないと勝利の道が遠くなる。
それで5分5分になるか?
しかし、
返し続けていればテニスは何が起こるか?わからない。フェデラー談。
ジョコビッチの第7ゲーム。
ティエムのバックダウンザラインからフォア逆クロスウィナー。このパターンだ。
少しティエムはスピードを落として工夫宇した。これでジョコビッチも考える。
一辺倒なペースは絶対にダメ。4−3ブレークバック。
ジョコビッチのフォアダウンザラインウィナー。フルスイングではない。
ティエムのフォアウィナーは100%以上のフルスイング。
ティエムの好きなフォア逆クロスからフォアクロスボレーウィナー。
先に攻めるしかないか?
30−40あるが、4−4キープ。
ジョコビッチの第9ゲーム。
たかいティエムのロブを下がってジョコビッチのグランドスマッシュエース。見事。
ティエムのポジショニングを下がっているか?ミックスアップしているのがいい。
攻めと守りとミックスアップ。その組み合わせだ。
5−4キープ。
30−40セットポイント。
ティエムの攻めをジョコビッチのフォアパスがアウト。
リターンを返せばそれだけでジョコビッチはペースを掴む。
2つ目のセットポイント。
最後はダブルフォルト。6−4ジョコビッチ。52分。やはり、ジワジワとプレッシャー。

第2セット。
ジョコビッチのバックドロップ。ティエムもよく拾うが、ジョコビッチのバックロブボレー。
打ったのもすごいが、取ったのもすごい。すごいのが1つではなく2つ、3つ連続ラリーしあいと取れないのだ。
ジョコビッチのバックダウンザラインへスーパーショット!1−0ラブゲームキープ。
ティエムの第2ゲーム。
2人のドロップのやりあい。ナニコレ〜!
ジョコビッチも一応、人間。何が起こるか?わからない。
ジョコビッチの第2ゲーム。
ダブルフォルトで30−40.
ティエムのバックダウンザラインがアウト。
ティエムのフォアクロスヒット。フォアで攻めて、2つ目のブレークポイント。
3つ目のブレークポイント。
ナントここでダブルフォルト。2−0ティエムブレークアップ。
ジョコビッチがここで今までの唯一の弱点が出たか。これがなくなったと思ったが・・・!?
やはり人の子か?
ティエムの第8ゲーム。
ティエムがフォアで左右に振って、フォアダウンザラインドロップウィナー。見事!
ジョコビッチのバックは振られても両手。オープンで返す。
ティエムのバックダウンザラインがアウト。お〜!ジョコビッチが吠える。
ティエムに打ち急がせる。4−4ブレークバック。
29回のラリーでティエムのフォアクロスがアウト。ここでもジョコビッチが勝つ。
また、ジョコビッチのダブルフォルト。
タイムバイオレーションだ。ジョコビッチもプレッシャー。
ここでジョコビッチのバックドロップがネット。15−40.
ティエム我慢した。
また、タイムバイオレーション。セカンドサービスから。
ここでジョコビッチのフォアアウト。主審に文句を言う。5−4ティエムブレークアップ。
ジョコビッチのバックダウンザラインが大きくアウト。
6−4ティエム。1セットオール。ティエム3−2が当たるのか?

第3セット。
ジョコビッチの第1ゲーム。
第1ポイント、ダブルフォルト。ファーストも入らない。やはり、まだまだか?
プレッシャーがかなりかかっている証拠だ!
ティエムのフォアダウンザラインが良くなってきた。高い打点で打っていく。
30−40でジョコビッチの甘いフォアボレー。
これをティエムのフォアパスがネットしてアウト。え〜!
2つ目のブレークポイント。
ジョコビッチのバックダウンザラインがアウト。1−0ティエムブレークアップ。
ファースト入らず、セカンドも123キロかなりスピードを落としている。
ジョコビッチの凡ミスが出ている。
30−30で長いラリーでからジョコビッチのフォアドロップからバックボレーウィナー。
見事。30−40でティエムのバックダウンザライン。
2つ目のブレークポイントを逃れて、2−0キープ。
ティエムのサービスは以前ほど反らない。体の負担をなくす。
ジョコビッチの第3ゲーム。
ジョコビッチのミスが出て集中力が落ちてきた。ティエムの時間帯だ。
5つ目のダブルフォルト。もうだめか・・・!?
ティエムのバックダウンザラインウィナー。15−40のピンチ。
2つ目のブレークポイントでジョコビッチのフォアミス。3−0ティエムブレークアップ。
え〜!
ジョコビッチはストロークも同じコースばかり。
ティエムは構えていつでもオープンコートにウィナーを狙う。
ティエムのバッククロスロブウィナー。
ジョコビッチはファーストボレー打つとどんな時も詰めるのを知っている。
7つ目のサービスエースで4−0キープ。
4−1でジョコビッチがトレーナーを呼ぶ。
ティエムの3つ目のセットポイント。
バックダウンザラインリターンエース。
4つ目のセットポイント。
執着心がなくなっている。ジョコビッチのフォアダウンザラインネットミス。
6−2ティエム。あ〜!ティエムの2−1リード。

第4セット。
ティエムの第8ゲーム。
5つ目のダブルフォルト。意識したか?
5−3ジョコビッチブレークアップ。
最後はサービスセンターエースで6−3ジョコビッチ。
ジョコビッチは徹底してバック攻め!

とうとうファイナルセット。
ティエムの第1ゲーム。
ジョコビッチのフォアクロスリターンが強い。
ティエムの第3ゲーム。
ジョコビッチの我慢強く、粘っこいラリーが再び復活。
ティエムは疲れてきたか?ミスが出て、2−1ジョコビッチのブレークアップ。
2連続サービスで5−3ジョコビッチ。
最後はティエムのフォアクロスがアウト。
6−4ジョコビッチ。4時間で優勝!8回目の優勝!
ティエムは残り2セットは疲れてミスが出た。
後半、ジョコビッチはバック攻め!ティエムのバックダウンザラインに無理させた!
後半は凡戦・・・!?
ジョコビッチ50%以下、ティエムは全体通じて90%以上。
これでもジョコビッチの8回目の優勝です。実力は他の選手とさらに開いた。
彼が月の位置、ナダルが地球の空、だいぶ下がってティエム、フェデラー、だいぶさがって
他の選手というところか?

女子はまさかの21歳ケニンがムグルザに逆転勝利で初優勝!
これは立派、無心無欲の勝利。
追いかけられる立場になったらどうなるか?
ムグルザはトップ10に復活していくだろう!
2020 オーストラリアンオープン 総評        <レポート:森下 泰>