2016 フレンチオープン Day 02

<レポート:森下 泰>

2016年5月23日(月)


昨日もパリに着いたら、雨。今日23日月曜日も朝から雨が降っています。
12時半までは試合はやらないとのこと。

一昨日、21日土曜日アカデミーを20時半までレッスンして、急いで家に戻り、準備。
タクシーで十日市場22時半に乗って、羽田国際空港に23時半に着く。
2時間半ぐらい、うつらうつらして、朝4時半にチェックイン。
7時半のフライトのはずが・・・。
機体の故障で1時間待ち、さらに座席に座ってから2時間。合計3時間超の遅れ。
22日日曜日のパリに13時着が16時過ぎ。ちなみにパリは−7時間です。
さらに荷物は出てこないわ、私だけ荷物チェックされるわ、電話は通じないわで17時半過ぎにやっと電車に
乗ってパリ郊外に19時に着いた。
いつものパリ市内から2時間半歩きたかったが(痩せるので)、今回は郊外で結構会場まで遠い。
電車3回乗り継いで1時間半ぐらいか?

着いたその日のうちに会場に行きたかったが、23日朝早く9時半に会場入り。
いつものパン屋さんでバゲットなどを買いました。毎年の恒例です。
今日は第1試合にダニエル太郎選手対クリザン、大坂なおみ選手対第32シードオスタペンコ。
第2試合に錦織圭選手、ボレーリに2セットアップの所で雨のため、中断。そこからスタート。
第3試合に日比野奈緒選手対第6シードハレップ。
第4試合に土居美咲選手対第21シードストーサー、奈良くるみ選手対アレルトバ。
今日やらなくても、日本選手6人全員の日にちはそのままだろう。すごい!

 

1R KLIZAN 6−3,6−4,5−7,4−6,0−3ret ダニエル太郎
26歳46位クリザン。23歳91位ダニエル太郎。
初めての対戦。
第2セット。
クリザンの第10ゲーム。
クリザンの上から叩くフォアダウンザラインウィナー。
4−6でこのセットもクリザン。セットカウント0−2ダウン。

第3セット。
ダニエルの第3ゲーム。
クリザンはスライスを打たせて、回り込んでフォアクロスに引っ張る。
そして、スマッシュを決める。
また、フォアヒットからフォアダウンザラインドロップウィナー。
このコースが好きだ!1−2ブレークダウン。
2−2とすぐにブレークバック。
ダニエルの第5ゲーム。
0−40からファーストが炸裂。
トスがかなり前になって、力強くなった。3回のデュースの末、3−2キープ。
これは大きかった。
ダニエルの第7ゲーム。
今度はサービスセンターエースで40−0から3−4ブレークダウン。
セカンドを上からフォアで叩かれた。
ダニエルは怒って、水の入ったボトルをラケットで・・・。
その後のクリザンの第8ゲーム。
これもあっさりミスでブレーク。儲けたゲームだ。
4−4ブレークバック。
クリザンの第12ゲーム。
クリザンの鋭いボールをダニエルはよく取る。球際が強い。ラケットの端に引っかける。
クリザンはたまらず、フォアクロスをアウト。
7−5で1セットを奪う。

第4セット。
クリザンの第2ゲーム。
クリザンのフォアドロップからフォアロブボレー。
ダニエルが追いかけて、フォアパスを足元に落としたが、クリザンの両手バックハーフドロップボレーウィナー。信じられないスペシャルショットだ!
また、ダニエルのフォアクロスドロップ返しをクリザンのバックスライスダウンザラインパスウィナー。これもスーパーショット。
1ゲームに2つのスーパーショットで0−2キープ。
一気に0−4まで行く。
クリザンの第6ゲーム。
何故かダブルフォルト3つ。急にプレッシャーがかかったか?
2−4ブレークアップ。
ダニエルの第7ゲーム。
ダニエルのハイバックアングルボレーからフォアクロスボレーウィナー。
こういうのもできるなら、やはりネットを取るべきだろう。
3−4キープ。
クリザンの第8ゲーム。
もう完全にダニエルの粘りストロークが効いて、クリザンは焦ってミスしてしまう。
4−4ブレークバック。
最後はクリザンのフォアがアウトで6−4ダニエルがこのセットも奪う。
ナント、0−4から6ゲーム先取。大逆転だ!

ファイナルセット。
3−0になったところでクリザンが棄権。ダニエル9ゲーム連取で勝利。
最後は左肘が痛いのか?集中力が切れたのか?わからないなあ・・・。
それにしても、このダニエル太郎の諦めない粘りストロークはすごいよ!
大逆転勝ちのダニエル太郎でした!!

ダニエルのインタビュー
「第5セットが始まった瞬間から切れたのか?怪我なのか?と思っていましたが・・・。
2回戦へ進めて良かった。特別にわあ〜という感じではない。
棄権で勝ったのと自分で締めたのでは少し違う感じです。
次はバブリンカだし、最高の経験ができる。
今日は最初思ったより、強く打ってきて少しビビって、打っていなかった。
第3セット、少し諦めたのが良くて、力が抜けていい結果に繋がった。前
より強く打とうと思った。
セカンドリターンの位置を1mぐらい中に入って、積極的に打ったのが良かった。
精神的にプレッシャーをかけていけた。
自分でも何故?第3セットと第4セットを取れたのか?わからない。
1つ1つやって行く感じで第5セットに入ったと思う。
この勝利は全豪で来ていてもおかしくない。
ATPで少し勝ち始めて、グランドスラムやマスターズでも勝ちたい。
基本的にテニスのレベルが上がっていると思う。
クレーだからというわけでもない。
サービスゲームも良くなって、レベルを上げることに集中して、トップ100に勝てるようにしたい。
マスターズ予選か?チャレンジャーか?チョイスが迷う。
チャレンジャーではだいたい第1シードか?第2シードになる。
それが変なプレッシャーになる。中国で負けたのが落ち込んでしまう。
今度のバブリンカではマレーの時よりはいいテニスをしたい。
今日雨の中、待っていて、ギリギリまで昼ご飯を食べていて、準備する時間がなかった。
雨でボールが遅くなって重くなるので、好きではない。
コートが乾燥してボールが飛んでほしい。
フォアで高い軌道で打ちたい。クレーだったら、上に上げて行く。
ボールが重いと難しい。
今日は家族が応援に来ていて、お母さんは見えなかった。お父さんはコーチの後ろにいた。
妹も来てくれて嬉しかった。グランドスラムはお父さんのあこがれの大会。
次のバブリンカの試合も見てくれて、一緒に過ごせるのは嬉しい。
夢は考えていない。今やっていること自体がやりたかったこと。
今、今という感じで続けて行くのが夢です。
妹が大学3年でスペインに来ていて、試合の前日にこっちに来るのがわかった。」

1R 錦織圭 6−1,7−5,6−3 BOLELLI
錦織が昨日6−1,7−5,2−1リードで中断。その続きだ。
26歳6位第5シード錦織圭。30歳116位ボレーリ。
2014年と2015年ウインブルドンで連続当たって、2つともファイナルセット勝ち。
なかなかしぶとい相手だ。
バブリンカが3−2逆転勝ちでやっと、17時にやっとスタート。
ボレーリの第4ゲーム。
セカンドをボディに狙って行く。ボレーリの片手バックは伸びがある。
2−2キープ。
錦織の第5ゲーム。
オーバーコールにも淡々とプレーする錦織。メンタルも崩れないなあ!
ボレーリのバックスライスからフォアクロスのハードヒットは怖いなあ。
これには気をつけて。3−2キープ。
錦織の第7ゲーム。
ダブルフォルトでブレークポイントがあるが・・・。
大絶好調ではないが、何となくゲームをキープしていくのでいい。
バックダウンザラインウィナーで4−3キープ。これでいい。最後だけ締めるのだ。
ボレーリの第8ゲーム。
錦織の強力なバッククロスパスでボレーを吹っ飛ばす。
5−3ブレークアップ。
錦織の第9ゲーム。
ボレーリのフォアヒットからバックドロップの柔らかいショットは上手い。
15−40のピンチもバックダウンザラインウィナー。ジャックナイフが出た〜!
2つ目のマッチポイント。最後は181キロのサービスエース。かっこよく決めた!
6−3で錦織のストレート勝ち。昨日から2時間で決着。さすがである!

錦織のインタビュー
「簡単ではないが、基本的にはリラックスして試合に臨んだ。
昨日も18時まで試合して、今朝も早かった。昨日で終わらせていれば良かった。
今日の出足は風があってあまり良くなかった。
でもしっかり早めに終わってホッとしています。
昨日は思い出せないぐらい雨の中での試合でした。目には入るわで大変でした。
上手く集中力を保ってやっていたと思う。
メンタル的には疲れが出たが、グランドスラムは1日置きなので、2日後にはフィジカル的にも大丈夫です。
トレーニングによって、単純に怪我が少なくなっている。すぐには結果には出ない。
大会中にもやれることをやって、積み重ねて行けば、2,3年後には体ができていく。
ウォームアップや試合後もトレーニングをすることによって、怪我予防に繋がる。
ボレーリには負けた記憶があるのですが・・・。ありませんか?
彼のフォアには注意しないといけない。軽く浅いボールが入ったら、打たれる。
昨日、中断中にもコーチ達に言われた。芝生になるとさらに大事になる。
次の相手も危険な相手。フラット系でバックダウンザラインをきれいに決めてくる。
難しい試合になりそう。
いいのも悪いのも前の試合を忘れてしまう。
中断は2セットダウンしている方が有利かもしれませんね。
1回頭をリセットできる。今日は自分の入り方が良くなかったし、風もあった。
2、3ゲームした後、リラックスしてプレーできた。」

1R 大坂なおみ 6−4,7−5 OSTAPENKO
18歳101位大坂なおみ。18歳36位第32シードオスタペンコ。ラトビア。
18歳の同い年の対決だ!
オスタペンコのゲームで始まる。
オスタペンコは両手バックスライスのディフェンスも低い軌道で入る。0−1キープ。
大坂の第2ゲーム。
いきなり得意のサービスセンターエース。
これはいくら反応が良くても取れない。
1−1キープ。
大坂の第4ゲーム。
また、サービスワイドエースで始まる。
しかし、セカンドになるとオスタペンコの強烈なフォアクロスリターンエース。
コーナーに強いボールが来る。このコースは警戒だ。ピョンピョン飛んでリズムを取る。
1−3ブレークダウン。
オスタペンコの第5ゲーム。
大坂のバックダウンザラインウィナー。相手よりも先にここに打つのはいい戦法だ。
ここに2本打ったのは勇気がいるよ。
2−3ブレークバック。
オスタペンコの第7ゲーム。
4回のデュース、3つ目のブレークポイント。
ようやくストロークで押し切る。4−3ブレークアップ。
ここでオスタペンコがトレーナーを呼ぶ。
左太ももの裏のマッサージ。この間に冷えないようにサービス練習をする大坂。
準備がいいぞ!
大坂の第8ゲーム。
大坂のフォアアングルウィナー。
バックは姿勢が低く、非常にバランスがいいのは知っているが、このフォアも力をつけてきた。5−3キープ。
大坂の第10ゲーム。
サービスセンターエースで1つ目のセットポイント。
オスタペンコの回り込みフォアダウンザラインウィナー。ここで強気のショット。
さすが第32シード。伊達にこの年でシードをもらっていないぞ!
6回のデュースの末、3つ目のセットポイント。
大坂の渾身のバックダウンザラインウィナー。6−4で先取。
素晴らしいショットだ!きれいに決めた。

このまま、7−5で大坂がストレート勝ち。

大坂のインタビュー
「相手は本当に強いと思った。バックハンドは強い。私は集中した。
私のバックダウンザラインはいっぱい練習した。
土居さんとのダブルスは練習している。
寿司が好きなのでジャパニーズレストランに行っている。」

1R HALEP 6−2,6−0 日比野奈緒
24歳6位第6シードハレップ。21歳71位日比野。
1−1で日比野の第3ゲーム。
日比野はペースを早めたが、バックダウンザラインミスが連続。
逆にハレップはしっかりボールの後ろに入って、バックダウンザラインウィナー。
1−2ハレップがブレークアップ。
ハレップの第4ゲーム。
日比野は少し焦っているか?打つのはいいが、先にミスが出てしまう。
1−3キープ。しかし、守っていたら、攻められるだけになってしまう。
2−6,0−6でわずか43分。残念・・・。

日比野のインタビュー
「クレーは苦手ではないので、普段と変わらず自分のプレーができたらいいなと思っていました。ハレップは正直、彼女の6割ぐらいの力でプレーしていた。
それで負けてしまって悔しい。今日は考えて臨んだ試合だったので、ショックです。
立ち上がりは2人とも緊張して、彼女も丁寧に入れてきている。
試合が進んでくるにつれて、彼女はギアを上げずにそのままいかれた。
プレッシャーをかけられなかった。
100%出さなくても勝てると思われた相手なのかなという感じがした。
経験が圧倒的に足りない。
今日の試合に関してはポジティブに考えられるのが少なかった。
ケガは注射で抜きました。いつもはラボで練習。今回は東京で。準備不足は否めない。
もう少し試合に向けての準備が必要。
全てのレベルを上げないといけない。
私生活も練習もレベルを上げないといけない。質を上げないといけない。
オリンピックはグランドスラムよりも出たい大会です。」

1R STOSUR 6−2,1−3サスペンデッド 土居美咲
32歳第21シードストーサー。25歳42位土居美咲。
20時15分過ぎて、1つ前の試合が男子で6−7,7−6のセットオール。
これでもこの試合をキャンセルにしない。その理由は・・・!?
まさかの20時半を過ぎて、コート17に変わって試合開始とは・・・!?
ストーサーのゲームで始まる。
ファーストがやはりいい。0−1キープ。
土居の第2ゲーム。
ダブルフォルトで0−2ブレークダウン。
あまり調子は良くないのかも・・・。
ストーサーのフォア逆クロスに対して、土居のフォアがガシャ。
振り遅れているのかもしれない。1−4キープ。
ストーサーの第7ゲーム。
フォアクロスリターンが深くセットポイントを逃れる。
2−5ブレークバック。
土居の第8ゲーム。
ストーサーのフォア逆クロスがよく落ちる。ラケットにボールが引っ付いている感じだ!
土居も負けじとバッククロスを打ち込むが、わずかにアウト。
少し押されてしまうのか?2−6でこのセットを落とす。

第2セット。
ストーサーの第1ゲーム。
土居のフォアクロスリターンが深い。ようやくスイングしてきた感じだ。
1−0ブレークアップ。
土居の第2ゲーム。
土居のフォアクロスからバッククロスボレーウィナー。切って行く。
積極的なプレーが出てきた。開き直って攻めた方が全然いいですよ。
2−0キープ。
3−1でキープしたところでサスペンデッド。21時半。
約1時間試合をして、次の日に。選手は大変です。
明日もこのまま行こう!

1R 奈良くるみ   ALLERTOVA
24歳91位奈良くるみ。23歳70位アレルトバ。
今日の試合はキャンセル。

1R STEPANEK 6−3,6−3,0−6,2−4サスペンデッド MURRAY
予選で西岡に勝って本戦入りしたステパネック。第2シードマレー。
第1セット。
マレーのフォアダウンザラインがネットにかけて、6−3ステパネック。
飛び上がって喜ぶステパネック。

第2セット。
ステパネックの第7ゲーム。
このレッドクレーでサーブ&バッククロスボレーを決めるステパネック。
乗りに乗っている。マレーも時々、ドロップを読んでバッククロスパスを決めるが・・・。
どうも後手後手に回っている感じだ。
4−3キープ。
マレーの第8ゲーム。
ステパネックのフォア逆クロスからバックダウンザラインボレーウィナー。
スルスルと前に行くのは天才だ!
ステパネックのフォア逆クロスドロップは甘いが、マレーのバックドロップ返しがネットミス。
5−3ステパネックがブレークアップ。
ステパネックの第9ゲーム。
ステパネックのスマッシュミス。イージーミスだあ。プレッシャーか?
最後はサービスワイドエース。6−3でステパネック。
ナント、ステパネックの2セットアップ。今、20時半。これでもやるのだ。
このまま、乗って押し切るかステパネック。マレーの大逆転がなるか?
錦織のことを考えるとやはり・・・。

この後、マレーが6−0,4−2アップでサスペンデッド。

PS.今日は朝から雨。これは絶対にできないと思っていたら、13時過ぎにパラパラになり、13時半にはすぐに試合開始。早い対応だ。おちおちTシャツなど見ていられない。
大坂なおみが第32シードオスタペンコにストレート勝ち。
リードされてもパニックにならずに実に落ち着いている。
サービスのトスが少し後ろで気になるが、フォアが良くなった感じ。
バックは相変わらず、低い姿勢だ。
ダニエル太郎はクリザンに第4セット0−4から大挽回。え〜というぐらいにすごい挽回。
クリザンが段々はまって、最後には棄権。
体よりもメンタルで負けた感じだ。クリザンが・・・。
日比野奈緒は最初の4ゲームのみしか見られず・・・。
ハレップに43分。これは圧倒された。6割ぐらいしか相手は出していないと言っていた。
錦織6−1,7−5,2−1の続きは6−3で勝利。
出足からあまり良くないが、それでもストレート勝ち。これでいいのだ。
肝心な準々決勝で強いやつとやるときに取っておく戦法だ。
奈良くるみはキャンセル。土居もキャンセルと思いきや、ナント20時半に入った。
2−6,3−1ストーサーでサスペンデッド。
最後まで終わるわけがないのに・・・。雨で延びると大変だから、ドンドン進ませるのだ。
22時半には会場を出たいが・・・。無理な感じだ・・・。

2016 フレンチオープン Day 02        <レポート:森下 泰>